ソフトバンクク千賀滉大投手(26)が西武との開幕戦で自己最速の161キロをたたき出した。初回、19年シーズンの第1球でいきなりマーク。左打者金子侑への外角高めボールでも場内はどよめいた。2球目は内角へズドンとストライク。2球続けて「161キロ」の表示に、スタンドは大歓声に変わった。4球目にも160キロと初回だけで3球も大台を計測した。

6回109球、3安打無失点。4点リードで後を託した。8回に同点とされ勝ち星こそつかなかったが、2年連続開幕投手にふさわしい投球だった。それでも千賀は「今日はプロ初先発の日と同じくらい緊張した。かなり力んでしまい球数が多くなってしまった」と早めの降板を反省した。

過去、開幕戦で160キロ以上を計測した投手はいない。異次元ボディーのたまものだ。昨年12月、米アリゾナのダルビッシュの自宅へ行きトレーニングを一緒にし、時間が許す限り話し込んだ。サプリメントの種類や摂取するタイミングをまねると、あっという間に筋肉が増え、体重も5キロ増。「アスリートの栄養学」や筋肉トレーニングの本を読み、知識も増やした。

全てを野球に集中させる決意をした19年。千賀が真のエースとなりリーグV奪回、3年連続日本一へ引っ張る。【石橋隆雄】