2季連続優勝を狙う近大が、プロ注目の村西良太投手(4年=津名)の好投で同大に快勝、1勝1敗に戻した。最速152キロ右腕はリーグ戦初先発で5回を不運な打球による1失点に抑え、先発初勝利を挙げた。

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あどけない顔で放つ剛球がバットの根元に食い込んだ。近大・村西は初回、1死二塁から不運なテキサス打で1点を失ったが、安打はそれっきり。2回以降は無安打で5回まで83球ですいすいと投げきった。

救援で活躍してきてこれがリーグ戦初先発。「先発は初めてで、初回どんな感じで入ったらいいものかと…。2回からはいい感じで力が抜けた。先発1勝はうれしいです」。148キロの直球と左右に曲がる変化球を投げ分けた。津名(兵庫)では目立つ存在ではなかったが、近大に能力を買われた。初先発を前にコンビニで地元淡路島の特産でもある「タイ」入りおにぎりを見つけ、縁起かつぎで口にした。

球場には9球団のスカウトが陣取った。ロッテ永野チーフスカウトは「横から投げるけど手首が立っているから力がよく伝わる」と分析。一様に、球の強さに目を見張っていた。150キロ台の横手投げは希少。強いプロ志望で、関西地区のドラフト候補筆頭格になる。

2月に右肘炎症を起こしたが、3月末に先発と中継ぎで3日連投もこなして間に合わせた。8日の第3戦も先発濃厚。「もっと球数少なくいければ」と勝利に導く投球を誓った。【柏原誠】