DeNAが投打の軸の活躍で2連勝を飾り、5カードぶりの勝ち越しを決めた。

先発の今永昇太投手(25)が8回123球の熱投。5安打無失点9三振で今季3勝目(1敗)を挙げた。打っては4番筒香嘉智外野手(27)が7回に値千金の9号決勝2ラン。4月には10連敗も喫したが、令和に入って負けなしのDeNAが一気に上位浮上を狙う。

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今永にとって最大のピンチは7回だった。四球と安打で1死二、三塁。代打ではなく投手のスアレスがそのまま打席に立った。「(3回に)ヒットも打たれていたし、スクイズもありそうな雰囲気。ピッチャーとは考えずに投げました」。135キロチェンジアップで空振り三振を奪うと、続く大引もこん身の148キロ直球で中飛に仕留めた。その気迫が打線にも乗り移り、裏に筒香の2ランが飛び出した。

初回から調子は悪くなかった。だが1、2個分ボールが浮いていた。得点圏にも走者を背負った。効果を発揮したのが今年から採用している修正法。マウンドの軸足部分を掘り、1段低くなった穴に足を入れて投げる。フォームは変えずにボールの軌道を下げられるのだ。「掘るのは2~3センチ。リリースはいじらず自分がちょっと下がって。3回くらいから(穴の深さが)いい感じになってスライダーもチェンジアップも抜けなくなりました」と「モグラ投法」の手応えを口にした。

この日の好投で、防御率は0点台(0・98)に突入した。それでも数字は意に介さない。「防御率を気にするとピッチングが狭まっていってしまう。今日は試合前から絶対に8回を投げると決めていた。そのイニングを投げられたことにホッとしています」という。

試合後のお立ち台。少年ファンから「野球をやるとき一番大切にしていることは何ですか?」と質問されると、「自分のために野球をやるのには限界がある。このプレーが誰かのためになるんだと思いながら投げてます」と答えた。チームメート、ファン、球団関係者…。「ファミリー」だというすべての人たちのために、これからも全力で投げ続ける。【千葉修宏】