日本ハム栗山英樹監督(58)が、右手有鉤(ゆうこう)骨骨折からの1軍復帰を目指す清宮幸太郎内野手(19)を直接視察し、自ら最終チェックする可能性を口にした。

20日、東京から空路、北海道に移動。羽田空港で取材に応じ、次回の関東遠征となる24日西武戦(メットライフドーム)前に、2軍同戦が行われている西武第2球場へ足を運ぶ考えを検討しているとした。翌25日は清宮の20歳の誕生日。同内野手にとっては勝負の1週間となりそうだ。

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最大のアピールチャンス到来だ。栗山監督は、清宮の1軍合流時期についてひとつのメドを挙げた。「状態が思ったよりも上がり始めているのは、誰が見ても明らか。1軍の試合でチームが勝てるために結果を出す形になっているかどうか」。復帰後は2軍戦6試合で、18打数6安打3打点1本塁打、打率3割3分3厘。19日の同DeNA戦で今季公式戦1号を放った若き大砲の回復には、手応えを感じている。

最終チェックは自らの目で下す可能性がある。くしくも、ナイター西武戦(メットライフ)がある24日は、隣接する西武第2球場で2軍戦が予定されている。「状況次第では(視察を)考えるかもしれない」。当日は北海道からの移動ゲームだが、チームよりも一足早く現地入りし、直接視察することも視野に入れる。「前には進んでいるので変に焦らせる必要はない」としながらも「本人に会って背中を押すことが必要かどうか」と、顔を合わせることで発奮を促す狙いもありそうだ。

翌25日に20歳の誕生日を迎える清宮は「周りの環境もめまぐるしく変わりましたし、毎日楽しかった」と、プロ入りの夢を実現した10代を振り返る。将来的なメジャー挑戦の希望を表明しており「目標はやっぱりアメリカにあるので、そこに少しでも近づきたい」と、20代の最終目標へ決意は変わらない。

3月3日のオープン戦で右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折し、2軍スタートとなったプロ2年目。栗山監督は「計算とは違う、魂みたいなもので前に進むことは確実にある。野球の神様が(清宮1軍昇格の)タイミングを伝えてくれるよ」としたが、“開幕”の瞬間は、刻一刻と近づいている。【中島宙恵】