性格も、投球スタイルも対照的な同い年右腕2人が、名門の投手陣を引っ張る存在になっている。JR東日本の太田龍投手(20=れいめい)と西田光汰投手(20=大体大浪商)だ。

九州男児で口数の少ない太田は、190センチから投げ下ろす最速153キロの直球が最大の武器。重いボールをズドンと投げ込む。

大阪育ちの西田は笑顔がトレードマーク。すぐに周りと打ち解ける。球質は重さよりキレ。縦横のスライダー、カーブ、チェンジアップも駆使し、抑え込む。

ともに高卒3年目を迎え、今秋ドラフトから指名対象となる。チームスタッフは「今年は、2人ともチームを引っ張っていこうという気持ちが出ています」と目を細める。象徴的だったのが、5日の都市対抗予選東京第3代表決定戦。明治安田生命に3回に3点を先制されたが、その回途中から登板した太田が後続を断ち、流れを変えた。4、5回の計4得点の逆転を呼び込んだ。7回1死から安打を打たれると、西田が登板。9回まで投げ、2人で“無失点リレー”。1点差で逃げ切り、10年連続22回目の本戦出場を果たした。

お互いについて「ライバルとは思っていません」と口をそろえる。太田が「変化球や気持ちの強さ。西田には自分にないものがたくさん。勉強になる」と言えば、西田も「龍は、僕にない全てを持っている。直球が速いし、重い。フィールディングも良い。見習う部分は多い」。練習から気付いた点を伝え合っている。

同スタッフは「龍は鹿児島から上京して、苦労したと思う。同期は関西人ばかり。最初はいじられてたけど、野球で力を出すにつれ、言い返せるようになった」とも明かした。都市対抗本戦は7月13日に開幕。名コンビで、8年ぶりの頂点を狙う。【古川真弥】