<全日本大学野球選手権:創価大6-1大工大>◇10日◇1回戦◇東京ドーム

創価大(東京新大学)がドラフト候補3本柱のうち、2人の1失点リレーで初戦を突破した。先発の杉山晃基投手(4年=盛岡大付)が7回5安打1失点、2番手の望月大希投手(4年=市船橋)が2回無安打無失点で、大工大打線を封じた。佛教大、愛知工大、大商大も2回戦に進んだ。

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杉山は“けがの功名”だった。初回、力んで直球が高く、1死から大工大の2番井上にストレートで四球を出した。3番の打席で二盗を仕掛けられる。捕手萩原の送球は低すぎた。杉山はとっさにしゃがみ込んだが「もう避けられない」と観念した。直後にドスン! 背中を直撃した。「めちゃくちゃ痛かったです」と苦笑い。だが、痛みと引き換えに「良い感じで力が抜けました」。変化球中心に組み立てを替え、7回の1失点だけに抑えた。

1年前の雪辱だ。昨年大会も1回戦の宮崎産業経営大戦に先発したが、8回途中5失点でKOされ、初出場の伏兵に敗れた。昨秋の神宮大会も初戦敗退。「全国大会は勢いがあるチームが多い。勝つのは難しい」と学んだ。相手の勢いをそぐべく、安打を打たれても連打は許さなかった。だから、最少失点でしのげた。

後を受けた望月は2回を完璧。「変化球で打たせて取ることができました」と持ち味を発揮した。2回戦は、昨年の王者・東北福祉大に挑む。「チャレンジャー精神で戦いたい」(杉山)。「大事な試合になる」(望月)。初の頂点へ、越えたい壁だ。【古川真弥】

▽創価大・岸雅司監督(杉山の投球に)「途中から当たったところが痛くなってきたみたい。早く代えたかったけれど、0点で抑えている間はねえ」