オリックス吉田正尚外野手(25)が値千金の12号逆転2ランを放った。1点ビハインドの9回、1死から大城の遊ゴロを遊撃手小園が送球ミスをし、出塁。流れが傾き、1死一塁で迎えた打席。1ボールからの2球目だった。フランスアが投じた真ん中低めの直球を一閃(いっせん)。打球は低い弾道でグングンのび、右翼スタンドのフェンスギリギリに突き刺さった。

「ストレート1本でした。速い投手だったので、真っすぐをはじき返せるように合わせていました。結果的に、ひと振りで仕留められたのでよかったです」

1日の日本ハム戦以来、16試合ぶり、70打席ぶりの復活弾。久々の1発に「あのような引っ張った打球がなかなかなかった。低かったですけど、ああいう角度で打球が上がっていくのを続けていきたい」。調子が上がらない中で、試行錯誤を繰り返してきた。バットの角度やタイミングなど細かい部分に修正を加え、結果につながった。

マツダスタジアムで16年から続いていた連敗も5でストップ。西村監督は「素晴らしかった。相手のミスを逃さず、しっかりものにしてくれた。クリーンアップが打てば盛り上がる」とたたえた。チームは借金9に減らし、交流戦の貯金は2つに増やした。

吉田正は昨季交流戦で打率3割9分7厘、3本塁打、10打点でMVPに輝いた。主砲の復調が最下位に沈むチームを勢いづける。【古財稜明】