西武中村剛也内野手が満塁男ぶりを発揮した。3点リードの7回、前打者の山川が申告敬遠で満塁。

本塁打王6度を誇る男が、満塁策を選択された。「特に考えることなく、無です」と言いながらも「ヒットは狙いにいこうと意識した。1発狙いというのはない」。言葉通り、ど真ん中の148キロ直球をはね返し、左中間を真っ二つに割る走者一掃の3点適時二塁打で試合を決めた。

大好物な状況が重なった。満塁では、これで今季打率4割5分、28打点を誇る。さらに札幌ドームでは5月10日に満塁弾を放つなど、6戦10打点と量産する相性のいい場所だった。気づけば打点も63打点に伸ばし、1位山川に4打点差に迫ったが、人さし指を口の前に運び「シーッ」と静観を望んだ。あと2本と迫った通算400本塁打も7試合足踏みが続くが、15年以来4年ぶりの打点王も、ひそかに視野にとらえた。