日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が出場25試合64打席ぶりのアーチを放った。3点を追っていたオリックス16回戦(旭川)の6回に中堅へ3号ソロ。6月20日DeNA戦(横浜)以来の1発で追い上げムードを演出したが、続く7回の勝ち越し機では対左腕で代打を送られた。

チームは追いつくことが出来ず、最後は守備でミスも出て、手痛い同一カード3連敗。首位ソフトバンクとは3・5差となった。

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49日ぶりの感触は、手応えがあふれた。清宮が3点を追う6回、初対戦で苦しめられていたオリックス張奕から中堅へ3号ソロを放り込んだ。「いろいろ考えながら入れました。甘い球を打ち損じせず。そこは良かったです」。3回に直球を捉えて一直。真っすぐに対応できていた前の打席を踏まえ、甘い変化球を1発で仕留めた。

雨を切り裂く大歓声が心地よかった。「やっぱり北海道の地方球場。この日を楽しみにしていた方が多かったと思う。ファイターズファンが多いところで打てたのは良かったです」。道内地方球場では2年目で初の本塁打。試合前から大きな声援を受けていただけに、期待に応えられたことがうれしかった。

長いトンネルを抜けたが、悔しさも味わった。1点差に迫った7回2死二、三塁の場面。左腕山田が出てくると代打を送られた。今季は対左投手の打率が7分4厘。栗山監督も「そりゃ確率を求める。山田の状態も見て右打者がいいと思った」と勝負に出たシーン。清宮は「しょうがないと思いました。まだまだ、信頼を勝ち取らないといけない立場。ここからですね」と現実を受け止めた。

チームトップの23本塁打をマークする中田が右手を痛めている影響で欠場し、最下位オリックスに同一カード3連敗。それでも、長打力を補える清宮の1発は明るい材料ではある。栗山監督は「打ち続けるかどうかが大事」とハッパを掛けた。清宮は「しっかり準備して次の試合に臨みたい」と前だけを向いた。移動日を挟み、10日からは首位ソフトバンクとの直接対決3連戦。もう負けられない。【木下大輔】