阪神の連続無得点イニングを止めたのは、近本だった。0-3の5回。右前打を放った代打木浪に続き、2死一塁で打席へ。

「2アウトからいい形で出てくれた。後ろにつなげるように、真っすぐをしっかりたたけたのが良かった」。外角高めの直球を強振。中越え適時二塁打で、チーム25イニングぶりの得点を刻んだ。

試合中のミーティングで、浜中打撃コーチは「得点出来ないからスイングが小さくなっている。しっかり振っていこう」と指示していた。5回に一挙5得点。「そこから点も取れてきたと思います」と振り返った近本の負の連鎖を止めた一打だけでなく、後続も続いての猛攻だった。

近本は初回の第1打席でも左翼へ二塁打を放っており、5回の二塁打と合わせ、通算35度目のマルチ安打。今季124安打とし、球団新人歴代単独5位となった。同4位の赤星憲広氏まであと4安打。近本があこがれる先輩の背中は目の前だ。

躍動し続けるルーキーは常に貪欲。「(木浪に)追加点のホームランも打ってもらえたので。ぼくもしっかりそこからも、もうちょっと追加点を取れたら良かった」。謙虚に打線をけん引する。【磯綾乃】