G倒で再加速だ! 投打がかみ合った広島が首位巨人との3連戦初戦を勝利した。広島緒方孝市監督(50)は、昨年左打者を並べて攻略した巨人先発メルセデスに対し、右打者を並べて一発攻勢で沈めた。先発ジョンソンも粘投でしのぎ、若き中継ぎ陣も無失点リレー。5年連続巨人戦勝ち越しを決めた勢いに乗って、28日は菅野と対戦する。

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巨人打線のお株を奪う一発攻勢で試合の主導権を握り、先発ジョンソンが粘りの投球でゼロを並べた。若き中継ぎ陣も奮投。巨人3連戦初戦を今季12度目の0封勝利で飾った。残り4試合を残し巨人戦5年連続勝ち越しを決めた。首位巨人との逆転優勝には3連勝が求められる。まず初戦を取ったが、緒方広島にとっては通過点に過ぎない。

緒方監督 残り試合も少ない。1試合1試合、諦めることなく戦っていく。

広島ナインは敵地を苦にしない。2回は4番松山が巨人先発メルセデスの低めスライダーをすくい上げて、右翼席に放り込んだ。東京ドームでは約8倍の打席数のあるマツダスタジアムと同じ3本塁打。「いいポイントで捉えることができました」。17日DeNA戦から4番先発を続ける中軸がチームを勇気づけた。

昨季は左打者を並べて攻略したメルセデスに対し、この日は右のメヒアやサンタナ、三好を先発起用した。値千金の追加点は、5番に起用したメヒアだった。「(メルセデスとは)友達だけど、試合中はライバル」と、4回に左翼席へ弾丸ライナーで突き刺す一発を見舞った。東京ドーム初本塁打も、同球場での打率は5割。こちらも好相性を発揮した。東出打撃コーチは「(5番起用のメヒアはメルセデスと)アカデミーでもシート打撃で何度か対戦している」と期待し、その起用が見事にはまった。

中押し、ダメ押しとは行かなかったものの、敵地とは思えぬ広島ファンの声援を受けて逃げ切った。ゲーム差は5・5に縮まった。敵地を得意とする選手が大暴れし、巨人戦5年連続の勝ち越し。逆転優勝に望みをつなげるためには、この先も負けられない。この勢いは28日先発の巨人エース菅野を打ってこそ、加速する。【前原淳】