阪神矢野燿大監督(50)が逆転でのクライマックスシリーズ(CS)進出に向けて非情な断を下した。29日の中日戦(甲子園)は豪雨によるグラウンドコンディション不良のため中止。試合前に発表された先発オーダーでは、開幕4番で全120試合にスタメン出場した大山悠輔内野手(24)が外れた。状態のいい北條を選択した指揮官は「それをどうするかは悠輔自身」と説明。30日からは首位巨人と本拠地3連戦で、CS圏まで3ゲーム差を「一戦必勝」で追い上げる。
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今季の121試合目は豪雨で流れた。甲子園の関係者通路に張り出されたスタメン表。あるべき名前が消えていた。「6番 三塁 北條」。開幕4番を託され、今年の全120試合で先発出場していた大山がスタメン落ち。逆転CS進出に向けて勝ちに行く。矢野監督が断を下した。
「ちょっと前くらいから頭にあった。ジョー(北條)の打撃練習も、ずっといい。ちょっと出たなかでの状態もいい。でも(木浪)聖也がそれ以上に良かったから、どこでとなればサードくらいだった」
3位広島を追うべき立場だ。1敗が命取りになる日々で、指揮官は非情に徹した。「残りも少なくなってきたところで自分がそう思ったので、そうしたのが今日だった。悠輔だってめちゃくちゃ悪いというわけではない」と説明を続けた。就任1年目の開幕戦。4番に据えたのが若き主砲候補の大山だった。だが、好調は長続きせず、今月10日に4番を外れてからも試行錯誤。今季は打率2割6分2厘、12本塁打だ。この日も、試合前練習で指揮官に指導されるなど、模索が続いている。
矢野監督は「自分の打撃に引き込んで打つとかそういう部分」と指摘する。自らの間合いに呼び込めず、立ち遅れする場面もある。「いい打者は自分の方に引きずり込んだり、配球を読んだり、いろんなことを使って自分の方に引き込んでくる」と続けた。30日巨人戦も北條を用いて、大山のベンチスタートが濃厚だ。悔しさ、ふがいなさを糧にするしかない。指揮官も「それをどうするかは悠輔自身。プラスにするのもマイナスにするのも悠輔」と反骨心に期待した。
巨人には2週間前に東京ドームで屈辱の3連敗を喫しただけに、リベンジの機会だ。指揮官は言う。「俺らも巨人に対する思いは強い。いつもやり返したいと思っている。明日からの3連戦3つ取るつもりで戦っていく。それがCSとか、いろんなことにつながる。一戦必勝しかない」。ひたすら白星を追い求める鬼采配で流れをつかみにいく。【酒井俊作】



