阪神中谷将大外野手が代打決勝弾を放った。同点の7回2死走者なし。代打で登場し、カウント1-2から先発山口の真ん中高め142キロ直球を振り抜いた。「自分の結果を残すことしか考えていなかった。何でもいいから、結果にこだわった打席でした」。打球は打った瞬間の大飛球で、左中間席に飛び込む6号ソロ。6月上旬に不振で2軍降格し、8月20日に戻ってきた男がチャンスをものにした。

代打の場面、走者がいれば次打者サークルで準備していた鳥谷の出番だった。「ランナーがいたら鳥さんだった。(自分の打席が)回ってきたら、しっかり打つということだけを考えていました」。集中して、先輩の思いも乗せた。

リーグトップタイの12勝を誇る右腕に、抜群の相性を見せつけた。この日の1発で山口から3本目のアーチ。通算13打数5安打、4打点と好成績を残す。「すごくいいピッチャーなので、必死に食らいついていった。真っすぐが早いピッチャーなので、しっかり振り遅れないように」と振り返った。

矢野監督も中谷の一撃に「期待はしてましたけど、本当に期待通りの素晴らしいバッティング。苦しい展開の中で、1歩いけた1本なので。本当に大きい」と高く評価。必死のアピール弾が、最高の結果をもたらした。【奥田隼人】

▽阪神浜中打撃コーチ(中谷の決勝弾について)「中谷の持ち味、長打力で決めてくれた。いい形で点が取れた。これで勢いに乗っていきたい」