中日大島洋平外野手(33)がプライドをかけて振り抜いた。

0-1の7回。6回まで無安打に抑えられていた巨人高橋をようやくつかまえた。1-1としてなお2死二塁で、「7番」の大島の打席へ。

左腕田口の内角直球に体をくるりと回して、前進守備の右翼手の頭上をはるかに超える決勝2ランをたたき込んだ。「体がうまく反応した。打った瞬間に越えたとは思った。入るかな、くらい。しっかり1発でしとめられたのはよかった」と振り返った。

打率3割を余裕でキープする安打製造器に狂いが生じていた。「(9月10日からの)広島戦くらいから、攻められ方が違ってきた。うまく攻められていた。対応しないといけない。シーズンはそれの繰り返しで、どれだけ早く修正できるか、なんですが」

ずっと上位が定位置だったが、この日は突然、7番に降格。今季1~3番以外に入るのは4月に6番が1度、7番が1度あったきり。慣れない下位に「ひまでした。全然打順が回ってこないので」とジョークを飛ばしたが「ここにきて7番まで下げられて、素直によろこべない」と、ふがいなさに本音もちらり。

164安打は巨人坂本勇、同僚ビシエドに1本差。「本塁打を打つタイプじゃない。ヒット2~3本の方がチームのためになる」。中日が誇るヒットメーカーがCSに向けてラストスパートに入る。