さぁ、下克上への挑戦が始まる。楽天が西武に7-1でシーズン最終戦を勝利した。すでにリーグ制覇を決めている王者相手に先発則本昂が5回1安打無失点の好投。打っては浅村が自己最多を更新する33号2ランを放つなど、投打の柱が躍動した。最初の目標はソフトバンクとのクライマックスシリーズ(CS)のファーストステージ突破。平石洋介監督(39)を中心に10月5日の初戦に向けて、整える。

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下克上への心は整った。最終戦を終え、球場のど真ん中で平石監督があいさつに決意をにじませた。

平石監督 1年間、たくさんの声援をいただき本当にありがとうございます。優勝、またこの仙台で、CSを迎えるという目標はかないませんでしたが、選手、スタッフの頑張り、そして皆さんの後押しのおかげで、何とか3位に食い込むことができました。10月5日からCSが始まります。最高の準備をして福岡に乗り込みます。一緒に戦いましょう! そして最後にもう1度、このホーム、仙台に帰ってきます!

CS突破、そして日本シリーズでの帰還を高らかに宣言し、万雷の拍手を一身に受けた。

万全と言える最終戦だった。相手は王者西武。森、中村らを休ませる消化試合とはいえ、投打で圧倒した。先発の則本昂は直球、フォークと申し分なし。5回1安打無失点5奪三振と寄せ付けなかった。打線も若手と中堅が力を示した。1回先頭のオコエが中前打で出塁すると、続く辰己の3球目で完璧な二盗。辰己の適時二塁打で先制すると、3番浅村が左中間へと33号2ランをぶち込んだ。1、2、3番で3得点。機動力とパワーをまざまざと見せつけた。

それでも気持ちに緩みはない。まずは10月5日、敵地ヤフオクドームでのソフトバンク戦。17年は3位からファーストステージを突破もファイナルステージでソフトバンクに敗れて、下克上はならなかった。平石監督は「ここからは短期決戦。勢いを持って立ち向かっていく」と言い切った。最終盤の8試合で6勝2敗。どのチームよりも勢いをつけた。いざ、下克上日本一へ。2年ぶりの雪辱を果たし、再び仙台に戻ってくる。【島根純】