赤パンで奥川ゲットだ!! 阪神は16日、都内で17日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」に向けたスカウト会議を開催した。

ドラフト1位は星稜(石川)奥川恭伸投手(3年)を最有力候補に位置づけたが、巨人とヤクルトの3球団が競合。巨人原辰徳監督(61)が水風呂で身を清める験担ぎを明かせば、矢野燿大監督(50)はCS進出を決めた“奇跡の赤パン”をはいて対抗する。負けられないドラフトTG戦、午後5時にゴングが鳴る。

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運命のドラフトを直前に控え、矢野監督は泰然自若としていた。前日のスカウト会議を終えて、都内のホテルで話した。「何か落ち着いているね。去年はなんか(監督就任直後で)バタバタして、よう分からへんというか」。阪神の将来を決める1日がやって来る。

またも、奇跡的なCS進出を果たした神通力にあやかる。この日、指揮官は東京に向かうべく自宅を出発前、荷造りしながら思案した。「赤パンツ、持ってきたよ。はかんでええかなと思いながら、ついついスーツケースに入れちゃった」とジョークを飛ばしながら笑う。赤パンツの奇跡よ、再び-。ドラフト1位で競合した場合は自らくじを引く。強運の験担ぎで臨む。

笑顔で「赤いパンツ、はいていくよ」と宣言した。今季最終盤の6連勝で逆転CS進出。そのあいだ、赤いパンツをはいて球場入りしていた。さらにクライマックスシリーズファーストステージでDeNAを撃破した7日は、ついに試合中も赤パンをはいて、ファイナル進出を決めていた。最後は巨人に敗れたが、先日まで野球界の話題をさらう快進撃を見せていた。奥川1位で競合する巨人の原監督は、水風呂で身を清めるという。負けじと矢野監督はシンボルの「赤パンツ」に再びあやかるつもりだ。

すべては将来のタイガースを担う「金の卵」を引き寄せるためだ。「1位って華がある。チームの中心になる選手で、どこの球団も指名してくる。いま、まだ決まっていない。ウチは」と話した。阪神は近年同様にドラフト当日に1位指名選手を決定するが最有力に挙がるのが最速158キロ右腕の星稜・奥川だ。今夏の甲子園決勝を視察した谷本球団副社長兼球団本部長も「極めて高い評価」とべた褒め。今年は高校生投手を1位で重視する方針が判明し、逸材に狙いを定める。

昨季は1位指名で2度、くじを外し、近本を指名。だが、シーズンで大活躍する「残り福」の強運があった。矢野監督は今年も右手でくじを引くと明かし「もう、いいイメージしてる。矢野ガッツするよ」とおどけた。指揮官は「ドラフトはいろんなドラマが起こる。俺らも楽しみ。今年も何かあるんじゃないの。何かをしたいけど、俺が」と不敵に笑う。赤パンツ、矢野ガッツ…。笑いで幸運をつかみにいく。【酒井俊作】