最速153キロ左腕が能見篤史投手から制球力を学ぶ! 「高校四天王」の一角となる横浜・及川(およかわ)雅貴投手(3年)が、阪神から3位指名を受けた。

伸びしろ十分な183センチ左腕。自らの課題を「制球力と安定感」とし、「能見さんは自分に足りない部分をたくさん持っているので、そこを目指してやっていきたい」と先輩左腕の名前を挙げ、学ぶ姿勢を示した。

丸刈りの夏から少し髪の伸びた18歳が、安堵(あんど)の表情で喜びを語った。「率直にほっとして、うれしい気持ちです」。阪神の印象については「指導者も含め、選手の雰囲気もいい。早くなじんでいければと思います」と話した。

全国屈指の強豪で1年春からベンチ入りし、同夏に甲子園デビュー。2年冬に現在の最速となる153キロをマークした。しかし早くから注目されてきた本格派も、最終学年は苦しんだ。センバツ出場も明豊(大分)との1回戦で計4回を投げ5失点で早々に敗退。最後の夏は、県準々決勝でノーシードの相模原に屈した。さらには「四天王」でただ1人、U18高校日本代表から漏れた。

今ドラフトで「四天王」の佐々木、奥川は1位指名。さらに西は1位でチームメートとなる。及川は「現時点では圧倒的に負けているけど、プロに入って抜かしていければ」と現状を理解しつつライバル心をのぞかせる。喜びも悔しさも味わった大型左腕。新たなステージで大きな飛躍を目指していく。【鈴木正章】