ソフトバンク4位東海大札幌・小林珠維内野手(18)が24日、札幌市内の同校で指名あいさつを受けた。

投手で高校日本代表候補にもなったが、あらためて内野手としての指名理由を聞き「投手の可能性も少し考えていたが、話を聞いて、野手で勝負したいと切り替えられた」と強い口調で話した。

球団の高評価が、決意を固めさせた。福山龍太郎スカウトチーフ(43)は自身が獲得に携わった今宮を例に挙げ「今宮も高校時代から優れた選手だったが、小林君は体も大きい。サイズと脚力を備えた選手はなかなかいない」と説明。作山和英スカウト(50)は「本塁打と走る姿を見て、野手としてのスケールを感じた。周東の足に柳田の長打を備えた選手になる力を秘めている」と評価した。

ソフトバンクの高校生指名は、育成を除くと小林だけ。甲子園経験はないが、183センチ、86キロの体格で最速150キロの強肩、50メートル5秒9の俊足が、プロのハートをわしづかみにした。指名直後は投手への思いを捨てきれずにいた小林も「冬に向け、野手の練習と体づくりに専念する」と腹を決めた。

前日24日は日本シリーズ3連覇を家族とテレビ観戦し「あの高いレベルで勝負していくんだと気が引き締まった」と言う。福山スカウトチーフは「うちには育成のノウハウがそろっている。小林君にはベンツのエンジンがある。プロのボディーと技術をつけ本物のベンツにしたい」と力を込めた。日本一の環境で磨きをかけ、打てて走れる“飛ばし屋珠維”を目指す。【永野高輔】