50代現役を視野に入れる。ロッテ育成1位北翔大の148キロ左腕、本前郁也(22)が30日、江別市内の同大で、指名あいさつを受けた。目指す投手像について「早く1軍に上がり、40歳過ぎても投げられるように。(50歳まで現役だった)山本昌さんみたいに、とにかく長く続けられる投手になりたい」と意気込んだ。

イメージは、ある。現役では同じ左腕のソフトバンク和田毅を手本にしており「年をとっても、その時のフィジカルを考えて投げられるように。理想と現実を常にすり合わせることが出来るようになりたい」と話した。

05年以来15年ぶりリーグ制覇へ、球団側は先発ローテーション入りを期待している。今季、左でローテを守れたのは昨年3位の小島和哉のみ。永野吉成チーフスカウト(52)は「左の先発が少ないので、1年目でもチャンスはある」と強い口調で話した。本前も「人一倍練習して、早く札幌ドームで投げて、支えてくれた人や家族に恩返しがしたい」と早期1軍登板を見据えた。

ドラフト後、札幌札苗中、札幌光星の先輩で、北海道教大岩見沢から17年の西武育成2位でプロ入りした斉藤誠からLINE(ライン)が届いた。「戦いはここから」。大卒育成指名の立場を、あらためて自覚させられた。昨年まで指導を受け、プロ入りを後押しされた北翔大の大西昌美前監督(62)からは「凡事徹底」の言葉を贈られた。「浮かれずストイックにやっていくだけ」。ひたむきな努力ではい上がり、故郷札幌への凱旋(がいせん)を目指す。【永野高輔】

◆本前郁也 もとまえ・ふみや。1997年(平9)10月2日、札幌市生まれ。札幌札苗小3年時に、東ハリケーンで野球を始める。札幌札苗中では札幌白石リトルシニアに所属。札幌光星高では3年夏に南北海道大会出場も初戦敗退。北翔大では1年春からベンチ入りし、札幌6大学リーグ1部通算14勝。2年春、3年春秋に防御率1位で最優秀投手。家族は両親と兄2人。175センチ、76キロ。左投げ左打ち