JX-ENEOSの元オリックス・園部聡内野手(23)が元本拠地の京セラドーム大阪で「7番・一塁」で先発出場し、1安打1四球を記録した。勝利にはつながらなかったが「京セラで野球が出来て良かったです」と顔をほころばせた。

13年に高校屈指のスラッガーとしてドラフト4位でオリックスに入団。ケガに泣き、1年目の14年に育成契約となったが、16年に支配下登録に復帰。同年に1軍で16試合に出場し、54打数11安打1本塁打、打率2割4厘の成績を残したが、安打は全てビジターゲームだった。17年から2年連続で1軍出場はなく、18年に戦力外通告を受けた。「あの時は20歳くらいで。何がなんだか分からないまま、すごい投手と対戦して三振してという感じでした。今は気持ちの余裕を持ちながら野球ができています」。

2点を追う5回1死から、それまでチーム1安打に封じられていた相手投手から左前安打を放ち、出塁。敵失で生還し、貴重な1点を生み出した。プロからアマチュアに舞台を移し、「2、3年ぶり」という京セラドームで“初ヒット”を記録した。

現役続行を目指して受けた昨年のトライアウト。NPBからのオファーはなかったが、社会人野球の強豪・JX-ENEOS(神奈川県)から誘われた。「野球を続けるかも迷っていました。でも野球を続けるチャンスをもらって、その恩を返したいのがモチベーションです」。関西から関東へ活躍の場を移し、社会人野球の舞台で懸命に白球を追っている。