売れっ子女優を追いかける。星槎道都大のエース渕上佳輝(4年=堀越)が、社会人野球の強豪、トヨタ自動車入りすることが決まった。

来年のNHK連続テレビ小説の主役を務める杉咲花(22)は高校の同級生。芸能活動で多忙な“ライバル”に会ったのは、卒業式予行演習でのたった1回だったが、強烈なオーラは忘れない。「社会人でレベルを上げてプロになり、いつか杉咲さんみたいに誰もが名前を知っているような選手になりたい」と2年後のドラフト指名と、その先の飛躍を見据えた。

今春のリーグ戦では6戦で2失点、防御率0・41で最優秀投手に輝き優勝に貢献した。6月の全日本大学選手権では初戦の福岡大戦で先発。10回まで無失点も、タイブレーク延長11回2死一、三塁、自身の暴投で失点し敗れた。11回149球、12奪三振の好投も「いい投球と言われても、あの1球で負けた。その甘さをなくして、どんな状況でもゼロで抑えられる投手になりたい」と前を向いた。

昨秋、トヨタ自動車の練習に参加した際は、16年都市対抗優勝投手で侍ジャパン社会人代表のベテラン佐竹功年(36=早大)に話を聞き、「1球1球、意味を考えて投げていることを知った」。社会人野球を代表する投手から学びながら、道を開く。【永野高輔】