東北福祉大が仙台大に延長10回サヨナラ勝ちし、3季ぶりの新人戦優勝を決めた。タイブレークに突入した延長10回、1死満塁の好機で杉沢龍外野手(1年=東北)が右犠飛を放ち、勝利を呼び込んだ。

10回表に登板した小松章浩投手(2年=おかやま山陽)が1死満塁とピンチを作るも、いずれも内角直球でニゴロと三振で切り抜け、裏の攻撃につなげた。その裏の好機で、杉沢は狙っていた高めのボールをフルスイング。バットを折りながらも、右翼まで飛ばした。「主将の斎藤(育輝)さんが『外野フライでいいぞ』と声をかけてくれて、楽に打席に入ることができた」と目を細めた。

杉沢は東北1年の夏に甲子園出場を果たす。初戦で横浜(神奈川)に敗れるも藤平尚真投手(21=楽天)と対戦し、経験値を上げた。同3年春の東北大会準々決勝では、吉田輝星投手(18=日本ハム)金足農(秋田)・吉田輝星投手(18=現日ハム)擁する金足農と対戦し、撃破した。さらに準決勝の八戸学院光星(青森)戦では1試合3本塁打を放つなど、輝かしい実績を引っ提げ、入学してきた。大塚光二監督(52)は「期待はとても大きいですよ。走攻守3拍子そろった選手なので、全て期待している」。ひと冬越えて、来春のリーグ戦からが、本当の勝負だ。【相沢孔志】