阪神矢野燿大監督(50)は秋季キャンプ最終盤の18日、来季の開幕戦となる3月20日ヤクルト戦(神宮)の先発投手が白紙であることを明かした。今季5年連続6度目の開幕投手を務めたメッセンジャーが現役を引退。開幕投手レースは唯一の2桁投手である西が大本命だが、今キャンプ参加の若手投手にも十分に可能性アリと明かした。

雨が打ちつける室内練習場で熱いゲキが飛んだ。4カ月後、神宮のマウンドに誰が上がるのか? 矢野監督は「現状で開幕を誰がやるのか決まっているわけじゃない。出てきてくれたら」と呼びかけた。今季の実績や安定感を見れば、現状はFA移籍2年目を迎える西の1強状態。続く第2集団は大きく引き離されているように見える。

午前中のブルペンでは山本昌臨時コーチが、今季プロ1勝を挙げた望月を「メッセンジャーの代わりになれる!」とあおった。また同コーチは高橋遥も「2桁勝利を挙げられる」と絶賛する。今季は悔しさを味わった岩貞に、秋山に、小野…。そして完全復活を目指す藤浪が、開幕投手候補となれば、虎の投手力はグンと上がる。

12球団屈指のブルペンを誇る矢野阪神だけに、白星を積み重ねる先発投手が一気に生まれても不思議ではない。矢野監督は「それこそ、『オレがやる』じゃないけど、いつまでもおんぶにだっこじゃなく、自分が勝たせるんだと思えるのか。それは全然違った中身の練習にもなる」と力を込める。開幕投手レースの構図を、ガラリと変える若手投手の出現が待ち遠しい。【桝井聡】