阪神が23日、甲子園でファン感謝デーを開催し、来季スローガン「It's 勝笑(しょう) Time! オレがヤル」を発表した。矢野燿大監督(50)はスローガン決定について、チームとして意思統一するため、秋季キャンプ中にミーティングを開催。苦しいときも笑顔で乗り切り、リーグ優勝で最高の笑顔にたどりつく決意を込めた。

   ◇   ◇   ◇

20年の虎は「矢野ガッツ」に加え、「タイガーススマイル」が象徴となる。ファン感謝デーの冒頭で来季スローガン「It's 勝笑 Time! オレがヤル」が発表された。勝笑は同じ音読みで「しょう」と読ませ、黒字の「勝」に赤色の「笑」を重ねたユニークなデザイン。約4万2000人の大観衆の前で矢野監督は込めた思いを披露した。

「笑うことには大きなパワーがある。僕たちがグラウンドで苦しいときこそ笑って、楽しい時はもっと楽しくグラウンドで暴れ回る姿を皆さんに見ていただいて。もちろん楽しみながら、苦しい時に笑いながら、でも、しっかり勝つようなチームを作っていきます」

ユニークなのはロゴだけではない。決定までのいきさつも異例だった。矢野監督は19日までの高知・安芸での秋季キャンプ中にスローガン決定に関するミーティングを開いたという。コーチ陣、選手、スタッフを集めて意見を募ったところ、30近いフレーズが出てきた。「金村(投手)コーチが『It's Show  Time』って言ってくれて。Showの笑うのとかありじゃないですかと言ってくれて」と矢野監督。チームで考え抜いた20年スローガンだった。

珍しい決定法を選んだことに、指揮官のこだわりがうかがえる。「思いをみんなで共有したかった。チーム全体としてそこをちゃんと目指す。子どもに『阪神みたいな野球をやりたいな』と思ってもらいたい」。そして、来季こそ-。矢野監督はファンへのあいさつを「勝つことでファンの皆さんにも思いっきり笑ってもらって、思いっきり喜んでもらえる、そういうシーズンにしていきます」と締めくくった。笑いと勝利を重ね、悲願のリーグ優勝へ突き進む。【松井周治】

▽阪神梅野(来季スローガンについて)「みんなでアイデアを出して決めた。矢野監督らしいスタイルを貫くスローガンだと思う。勝ってファンを喜ばせてというのは目指す野球。今はしっかり準備することで、いいスタートが切れるようにやっていきたい」

▽阪神糸原(来季スローガンについて)「ファンを喜ばせることが大前提。来年優勝できるように頑張ります」

▽阪神西(来季スローガンについて)「苦しいときこそ笑えるように。勝って笑いたい」

◆阪神ビジター用ユニホーム 変更は2年ぶり。この2年間の上半身が黒、下が白のセパレートタイプで、阪神はビジターで2年連続負け越し。143試合を戦い、65勝73敗5分け、勝率4割7分1厘。17年以来3年ぶりの勝ち越しを目指したい。