大学日本代表候補に初選出された192センチの星槎道都大・河村説人(ときと)投手(3年=白樺学園)が、30日から同代表候補合宿(松山)に臨む。15年夏甲子園にエースとして出場し、亜大に進学も1年途中で退学。再入学した星槎道都大で昨年デビューすると、主戦に成長した今年は春秋通算4勝を挙げた。地元北海道で復活した最速150キロ右腕が、目標のプロ入りへ向けアピールする。

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初の代表候補合宿で、河村が貪欲に自身を売り込む。同合宿は来年6月のハーレム・ベースボールウイーク(オランダ)に向けた1次選考。「武器は他の投手より角度あるところから投げられる直球。たくさんの人が見に来ると思う。全力でアピールしたい。そして来年3月の合宿に残れるように」と意気込んだ。

15年夏の甲子園に白樺学園の主戦として出場。卒業後は亜大進学も1年夏に「環境を変えたかった」と退学した。右肩を痛め練習試合すら登板できず大学を去った。その後は母校白樺学園の寮に住み、後輩たちと練習しながら17年春に星槎道都大に再入学。エース格に成長した今季は春秋で計4勝を挙げた。高校時代は最速144キロ。今では最速150キロまで伸び「ここから活躍して再入学の際、お世話になった方に良かったと思ってもらえるように」と前を向いた。

今秋の全道高校野球は母校白樺学園が初優勝し、明治神宮大会でも4強進出。自身は札幌6大学秋季リーグ優勝決定戦に先発も敗戦投手となり、神宮切符を逃した。「後輩と一緒に神宮に行きたかった。代表合宿で吸収したことをチームに還元し、春の雪辱につなげたい」と気を引き締めた。

オフは「柔軟性が課題」と、肩甲骨や股関節周辺の可動域を広げるストレッチを、定期的に取り入れてきた。「来年までに155キロを目指す。そのために自分の体を最大限に生かすことができるように。合宿でもいろいろな話を聞けたら」。地道な努力で、能力を目覚めさせていく。

リーグ戦後、元DeNA2軍監督の二宮至監督(66)と進路について面談。大卒でプロを目指すことを目標に固めた。「プロを知る監督に『自分で思う以上に周りは期待している』と言われ、覚悟ができた」。手にしたチャンスを最大限生かし、夢への道を、少しずつ切り開く。【永野高輔】

◆河村説人(かわむら・ときと)1997年(平9)6月18日、むかわ町生まれ。鵡川中央小3年時に鵡川ジュニアファイターズで野球を始める。鵡川中から白樺学園に進み、3年夏にエースとして北北海道大会優勝。甲子園では初戦の下関商戦に先発し延長11回、3-4でサヨナラ負け。亜大を1年で退学し、17年春に星槎道都大に再入学。昨春のリーグ戦に初出場し今春初勝利。家族は両親と兄、姉。192センチ、87キロ。右投げ右打ち。