ドラフト候補特集の第2弾は大学、社会人、独立リーグ編。こちらも「○○自慢」のドラフト候補がそろう。近大・佐藤輝明内野手(3年=仁川学院)は規格外の「飛距離自慢」。体も大きく、近大OB阪神糸井のようなスケール感が魅力だ。

佐藤は、今秋ドラフト候補の中でも群を抜く「飛距離自慢」だ。上宮など高校での指導歴も長い田中秀昌監督(62)は「飛距離は今までで見た中で佐藤が一番。天性のものに本人が鍛え努力している」と歴代NO・1と認める。

3年間の関西学生リーグ戦通算は11本塁打。フリー打撃では右中間フェンスを越え、グラウンド下の民家へ打球が飛び込む。人に当たる危険性があるため、昨年2月、学校側は「佐藤ネット」としてさらに高い位置への設置を検討。ただ、大がかりな工事になるために、まだ着工できない。佐藤だけ、山の方へ少し上がったもうひとつの球場でフリー打撃をするようになった。

2年秋の神宮大会では、1回戦の筑波大戦で左翼へ本塁打。逆方向へも引っ張ったような打球を遠くに飛ばすため、もうひとつの球場の左中間奥のブルペン前には球拾い要員が配置される。「野球の中で本塁打を打つことが一番楽しい」。柔道86キロ級の選手で、関学大の准教授を務める父博信さん(52)は筋骨隆々。その血筋をしっかり引き継いでいる。近大OBの阪神糸井や、佐藤が憧れるソフトバンク柳田に匹敵しそうなスケールの大きい打者。今年はどこまで飛ばすのか、注目だ。【石橋隆雄】