日本ハム杉谷拳士内野手(28)が、オーストラリアで昨年9月から続く大規模な森林火災に義援金(金額は非公表)を寄付した。現地で3年連続となる自主トレ中の9日、明かした。「第2の故郷」と表現するほど愛着ある土地で順調に調整を進めており、感謝の思い、1日でも早い復興を願う気持ちを行動に移した。

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収まる気配がない。想像を絶するオーストラリアの森林火災は、現地で自主トレを行う杉谷も大きな衝撃を受けていた。

杉谷 非常事態宣言が出るなどテレビでも連日報道されており、今もなお、避難を余儀なくされた地域の方々が多くいらっしゃいます。オーストラリアの気象局データでは、2019年は観測史上で最も暑く、最も乾燥した年となり、火災が起きやすい気候だったそうです。

12月25日に日本を出発し、3年連続でオーストラリア自主トレを開始。拠点はブリスベン。被災地とは離れており、練習に支障はないが、現地で触れる情報に心は痛むばかり。同国赤十字社を通じて義援金を送ることを決め、実行した。

杉谷 地球温暖化の影響もあるからこそ、人ごとではない気持ちです。避難者の方々への直接的なご支援、コアラやカンガルーの動物たちやたくさんの植物の保護、また支援物資やボランティアの方々のサポートなど、広くお役立ていただけるよう、先日寄付をさせていただきました。大好きな国オーストラリア。第2の故郷。避難なさっている地域の皆さまや動物たちが1日でも早くいつも通りの生活ができるようになることを願っております。

17年オフに同国リーグに単身武者修行に出て以来、現地での縁を大切に育んで、今オフもシーズンの土台を築いている。いち早い復興を願いながら、新シーズンへの準備を進めていく。【木下大輔】

◆オーストラリアの森林火災 19年9月ごろから東部のニューサウスウェールズ州やビクトリア州などで大規模な森林火災が続き、20人以上が死亡、1500棟以上が消失した。ニューサウスウェールズ州では、熱波による森林火災が激化する恐れがあるとして、9日まで非常事態(昨年12月に続き3回目)が宣言されていた。ビクトリア州でも沿岸部で数千人が孤立し、救出のため海軍の艦船が出動するなど、終息の見えない事態になっている。

◆日本ハム杉谷のプロ成績◆ 昨季は出場83試合で134打数28安打(4二塁打、1三塁打、4本塁打)12打点、打率2割9厘。5盗塁、6犠打だった。通算では584試合234安打(35二塁打、10三塁打、12本塁打)81打点、打率2割2分2厘。44盗塁、90犠打