プロ野球南海(現ソフトバンク)で捕手兼任監督を務め、ヤクルト、阪神、楽天でも指揮を執った野村克也さんが死去したことが11日、関係者の話で分かった。南海時代のチームメートで、親交の深かった広瀬叔功氏(83=日刊スポーツ評論家)が故人を悼んだ。

スギやん(故・杉浦忠さん)に続いて、ノムやんも逝ってしまったか…。ワシより早く逝くなんて…。さみしい話だよ。

ノムやんとは1年違いで南海に入って、お互い高校からテスト生のような形で入った境遇や当時のチームでの立場など共通点が多く、気心知れた仲間だった。練習や試合が終わっても一緒に飲んで、遊んで、常に一緒だったな。

その後、ノムやんと同じ年のスギやんが入って、3人でいつも一緒にいた。何するにも一緒だったから、鶴岡さん(一人当時監督)からは「南海の三悪人」と呼ばれて、よく怒られていた。今思えば、期待されていたのかな。

そんなノムやんも、野球に対しては真っすぐだった。「この世界で生きていくんだ」という強い信念を持ち、貫き通した。2軍からひたむきに取り組み、1軍に上がってもおごることなく地に足をつけて進んでいった印象がある。簡単に道をそらしてしまうワシからすると、いつも見習わないといけないと思っていたけど、最後までノムやんのようにはなれなかった。だから引退も、年下のワシの方が早かった。

最後に会ったのは昨年夏だったかな。何十年も付き合っている仲間だから、本当にたわいもない話しかしていない。思い出話をたくさんしたけど、話は尽きない。もう会えないと思うと、やはりさみしい。次はワシだろうな…。そのときは思い出話の続きをしたいよ。