ソフトバンク東浜巨投手(29)が「ジョーンズ斬り」で開幕ローテーション入りへアピールする。宮崎春季キャンプ最終クールに入った22日、翌23日のオープン戦初戦となるオリックス戦(宮崎市清武SOKKENスタジアム)で先発する右腕は、オリックスに新加入したアダム・ジョーンズ外野手(34=ダイヤモンドバックス)を抑え、弾みを付けることに意欲を見せた。

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スパンッとブルペン捕手のミットが小気味いい音を立て、東浜は深くうなずいた。オープン戦開幕投手に決まった右腕は、43球のデモンストレーションを終え出陣の準備を整えた。直球を丁寧にコースに投げ込み、シンカーやカーブといった変化球もしっかり確認した。

昨秋のフェニックスリーグには登板したが、1軍相手としては昨年5月以来の対外試合。「久しぶりになってくるのでしっかり投げたい。1軍級のバッターとはしばらく対戦していない。今の自分の現状を知るためにも大事になってくる」と気を引き締め話した。

昨年6月に右肘手術を受け、復活を期すシーズンだ。開幕ローテーション入りし、再び投手陣の柱としての役割を勝ち取ろうと意気込む東浜にとって、重要な試金石となりそうなマウンドだ。オリックスの野手陣は本気モードで主砲の吉田正らも出場予定。新加入のジョーンズも打席に立つ予定で、「いい機会になると思う。同じリーグですし、いろんなものが見られるんじゃないかなと思います」。腕試しとしては最高の舞台になる。

メジャーで1939安打、282本塁打を誇る強打者ジョーンズとの対戦については、東浜も特別な意識を持つ。「どういうバッターなのか見ていきたい。ぼくだけじゃなく、チームとしてどういうバッターか確認するのも大事になってくる。どういうバッターか見ながら、しっかり抑えたい。映像はまだ見ていません。前情報なしでいきたい」。17年に最多勝を獲得し、投手陣の中心を担った男らしく、チームのことも思ってスラッガー封じを誓った。

右腕の復活はチームの浮沈の鍵を握る。「今年は開幕も早いですし、与えられる実戦の機会も減る。1つ1つ課題をつぶしながら、前に進んでいきたい」と落ち着いたトーンながら、熱い思いを胸に意気込んだ。【山本大地】