背番号122のロッテの育成選手、和田康士朗外野手が勝利を呼び込んだ。

1-2で迎えた8回、代走で三塁に達すると、清田の二ゴロで同点のホームを踏んだ。前進する楽天内野陣の包囲網を、50メートル5秒台の足で突破。ギャンブルスタートのサインに「しっかり持ち味を出せたと思います」。余裕のセーフだった。

埼玉・小川高入学時は陸上部に入った異色選手。BCリーグを経て、育成契約で入団し3年目を迎える。快足、強肩、思い切りのいいスイングからソフトバンク柳田を模して“和ギータ”とも呼ばれる。9回には粘ってサヨナラ四球も選んだ。大塚1軍外野守備走塁コーチも「今日のスタートは完璧。選球眼もある。あとは(守備の)打球勘かな」と成長を認める。主力も合流し、チャンスは限られてきた。和田は「失敗は許されないと思っています」と背水の覚悟で、支配下登録を目指している。【金子真仁】

▼ロッテは育成の和田が押し出し四球を選んでサヨナラ勝ち。オープン戦で押し出しのサヨナラ勝ちは、谷が四球を選んだ11年3月2日巨人以来、9年ぶり。オープン戦でサヨナラ安打を放った育成選手はおらず、四死球や犠飛などの「サヨナラ打点」を記録したのも和田が初めてだ。