日本ハム清宮幸太郎内野手(20)が初の開幕1軍入りへ前進した。11日、ロッテ戦(ZOZOマリン)で今季オープン戦初出場。7回の守備から途中出場し、9回の初打席で右前打を放った。守備では捕球ミスを犯して猛反省したが、13日からのDeNA3連戦(札幌ドーム)も出場予定。開幕が延期になったこともプラスにし、さらにアピールを重ねる。

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清宮は思い描いていた通りにバットを振った。9回1死のオープン戦初打席。「甘い球が来たら、どんどん打とうと思っていた」。3ボールからの4球目。ストライクを取りに来たロッテ小野の149キロ直球を右前に運んだ。「3ボールでしたけど、しっかり打ちにいけて良かったです」と振り返った。

ただ、笑顔は封印した。理由は、その裏の一塁守備。9回無死一塁、深い中飛に一塁走者が大きく飛び出した。中堅松本から二塁谷内を経由した清宮への送球をグラブからポロリ。捕球していればアウトのタイミングで「最後、迷惑をかけてしまった。しっかり練習したいと思います」と猛省。栗山監督からは「しっかりやって。問答無用」と大きな声でゲキを飛ばされた。

昨年10月末に受けた右肘手術から約4カ月半。指揮官から、プレーの一挙手一投足で、期待の裏返しである厳しい言葉を投げかけられる“日常”が、ようやく戻ってきた。この日は東日本大震災から9年が経過した日。「毎年、この日はいろんなことを思い出します。今こうして僕たちが野球ができていることに感謝という気持ちです」。

試合後にはチームとともに札幌へ移動した。13日からのDeNA3連戦では今季初めて札幌ドームでの試合にも臨む。「全部打つくらいの気持ちでいきたい」。新型コロナウイルスの影響で開幕が延期となり、アピールする時間が増えたのも事実。心新たに、目指す開幕スタメンへ向けて、ここからが正念場だ。【木下大輔】

【清宮復帰までのアラカルト】

★19年10月28日 横浜市内の病院で右肘関節形成術を受ける

★同30日 千葉・鎌ケ谷でリハビリ開始

★20年2月1日 2軍の沖縄・国頭でキャンプイン

★同15日 紅白戦(国頭)で実戦出場。左前打を放つ

★同21日 キャンプ打ち上げ。実戦は打撃限定出場で2試合3打数1安打

★同27日 シートノックに復帰し、送球を解禁

★3月7日 2軍教育リーグ楽天戦(鎌ケ谷)で守備での実戦復帰を果たす

★同9日 ZOZOマリンでの1軍練習に合流