ソフトバンク和田毅投手(39)が“見えない開幕”に向けて好仕上がりを見せた。

球速は140キロ前後ながら、キレのある直球を生かし、主力が並んだ巨人打線を相手に3回まで1人の走者も許さない完全投球を披露。4回、岡本に2ランを浴びたが、5回も3人斬り。5回をわずか55球で2失点という軽快な投球で今季への期待を抱かせた。

3年ぶりの開幕ローテーション入りを確実にしているが、9日に開幕延期が決定。まだ日程が定まらない中でもベテランらしく落ち着いている。「決められた中でやっていくしかない。12球団同じ条件なのでね。開幕が決まったら、しっかり合わせていくしかない。調整が難しいと言っていい状況ではない」。東日本大震災で開幕延期となった11年も経験している。「あのときとは全然状況が違う。野球をやっていていいのかな、という気持ちもありましたし…」。さまざまな状況を経験しているだけに、冷静にこの日のマウンドと向き合った。

早大の1学年後輩で、同一リーグのロッテ入りが決まった鳥谷から「対戦したい」と指名を受けたことにも刺激を受けた。「指名してもらえてありがたい。対戦するにはぼく自身がずっと上(1軍)にいないといけない。彼がどこに行くのかずっと案じてはいたので、決まって良かった。当然頑張ってほしいですし、対戦が楽しみです」と新たな発奮材料になった。後輩の思いに応えるためにも、淡々と「開幕」に向かっていく。【山本大地】