約1カ月ぶりに1軍に戻ってきた巨人今村信貴投手(26)が、2軍で温めたこん身の“ネタ”を披露した。

無観客のステージに4回から2番手で登板。1死から4番佐野を新球カットボールで投ゴロに抑えると、続くロペスに対しては、3球目に内寄り低めのカットボール。ファウルで追い込んだ。実戦で初めて投じたボールで揺さぶり、最後はフォークで空振り三振。「思うような軌道ではない球もあったけど、少しは試せたかなと思う。カットの存在で真っすぐが詰まる印象もあった」と冷静に“ウケ”を分析した。

お笑いコンビ「髭男爵」ひぐち君の一発ギャグ「ひぐちカッター」のごとく、初見では本家同様? にシーンとさせる“ネタ”は阿部2軍監督から授かった。「直球を改善した感じ。阿部さんに教わった通りに投げている」と感謝の言葉を口にした。「のぶカッター」の名付け親・宮本投手チーフコーチを「今日のピッチングで1軍に合流になりました。彼はオアシス的な存在」と言わしめたが、本人は「まだちゃんと扱えていない。まあまあです」と“ネタ”の精度を磨く。

「のぶカッター」で、先発ローテ争いにも待ったをかけた。開幕投手に内定する菅野、当確のサンチェス、有力な田口、戸郷、アピールを続ける鍬原に続く「1枠」は不在。新型コロナウイルスで開幕が延期したことも重なり、巡ってきた敗者復活ステージで5回2安打無失点。29日ヤクルトとの練習試合(東京ドーム)の舞台も手にし、チームにも2月23日以来、14試合ぶりの白星を届けた。「阿部2軍監督、杉内コーチ、木佐貫コーチに恩返ししたい。結果も内容もアピールしたい」。開幕ローテに切り込み、「のぶカッター」で客席のファンへ笑顔を届ける。【栗田尚樹】

◆髭男爵(ひげだんしゃく)山田ルイ53世(本名・山田順三=44)とひぐち君(本名・樋口真一郎=46)の漫才コンビ。貴族の山田と召し使いのひぐち君という設定でコントを行い、08年に決めぜりふの「ルネッサーンス!」でブレークした。

◆巨人の先発陣 菅野、サンチェスは確定し、3番手以降は2年目の戸郷、田口が有力。5番手は前回登板の14日楽天戦で鍬原が6回途中9奪三振と好投してアピール。昨季8勝の桜井、この日5回無失点と好投した今村、左肘違和感で離脱したメルセデスも実戦復帰し、開幕に間に合う可能性が出てきている。

▽巨人原監督(今村の好投に)「ストライク先行で、いろいろな変化球も投げられる。あれぐらいの投球をしたらいい位置で野球ができる。(連敗ストップに)なんて答えればいいんだろう。なんて答えればいいんだろう、という答えだね」