BCリーグ新潟のルーキー山河楓内野手(18)が、自慢の長打力でレギュラー奪取を狙っている。神戸弘陵高(兵庫)では通算40本塁打を放ち、NPBも注目した大器だ。パ・リーグ2年連続本塁打王の西武山川穂高(28)を理想の選手とし、今季の目標に10本塁打を掲げている。

   ◇   ◇   ◇

屈託のない笑顔で山河は言った。「“山川2世”と呼ばれるようになりたいです。漢字は違うけど同じ名字ですし」。180センチ、98キロと、憧れの“本家”西武山川に劣らないサイズの体には、高い能力が詰まっている。

「持ち味は本塁打です」とさらり。ここまでオープン戦3試合で2安打とまだ本領は発揮できていないが、3月17日の初のマシン打撃では4本の柵越えを放った。その日は胃腸炎のため4日遅れでキャンプに合流した初日、体調が万全ではない中、首脳陣にインパクトを残した。

来た球に自然と合わせられるタイプ。清水章夫監督(44)も「飛ばすセンスは一級品」と絶賛する。キャンプに入り、NPB入りを目指す先輩らに囲まれ「みんな意識が高いし、すごいなんてものじゃない。自分とは天と地の差」と刺激を受けた。また、同じルーキーの奥田昇大捕手(22)からアドバイスを受け、バットの長さを84センチから86センチに変えた。「使いこなしてしっかりミートするように心がける」と向上心も旺盛だ

神戸弘陵では通算40本塁打。公式戦では12本塁打をマーク。昨秋のNPBドラフト前には複数球団から調査書が届いたが、指名はなかった。「独立リーグで活躍すれば1年目から指名される可能性がある」と気持ちを切り替え、新潟をステップアップの場に選んだ。

今のテーマは打席に立つ機会を重ねること。「とにかく試合にたくさん出たい」。その先に、山川と同じような“存在感ある主砲”になることをイメージしている。【斎藤慎一郎】

◆山河楓(やまかわ・かえで)2001年(平13)8月14日生まれ、兵庫県出身。枝吉小3年の時に野球を始める。自由が丘中では軟式野球部で主に投手と遊撃手。神戸弘陵では1年の秋からレギュラー、3年の夏は3番打者。高校時代は投手、一塁手、捕手、三塁手と複数のポジションをこなした。180センチ、98キロ。右投げ右打ち。背番号5。