02~04年に阪神でプレーしたジョージ・アリアス氏(48)が2日、日本プロ野球外国人OB選手会(JRFPA)のツイッターを通じて、新型コロナウイルスの感染拡大に関し、日本との共闘エールを送った。

当時の指揮官だった故星野仙一氏の言葉を添えて「ネバサレ」の強い精神を呼びかけた。

「私は今、アリゾナにいます。世界はコロナウイルスに苦しんでいます。多くの人々が恐怖の中にいます。私の仕事も、そして世界中のビジネスも、停滞を余儀なくされています。でも希望を失わず、ともに乗り越えていきましょう。手を洗い、お互いに適切な距離を取りましょう」。白ひげを蓄えたキャップ姿で約2分、画面を通じてかつてプレーした地を思いやった。

続けたのは、異国の地での活躍を支えてくれた亡き闘将の言葉だ。「心から尊敬する人生の師であり、監督でもあった星野(仙一)さんの言葉を思い出します。『Never Never Surrender』(絶対に諦めるな)を。絶対に諦めないで、いきましょう」。当時監督の星野氏がチームのスローガンとした言葉を引用し、エールを込めた。

アリアスは00年にオリックスに入団。3年間プレーした阪神では、03年にシーズン38本塁打を放ってリーグ優勝に貢献。06年は巨人でもプレーし、日本球界通算6シーズンで161本塁打を記録した。日本を離れ15年がたった今も胸に残る亡き恩師の言葉を、今度は自国から日本に届けた。他の動画ではヤクルトでプレーしたホージー氏やパ・リーグ4球団を渡り歩いたオーティズ氏も日本にメッセージを送っている。

阪神ではアリアス氏だけでなく、マット・マートン氏(38=カブス競技運営部門補佐)やジェフ・ウィリアムス氏(47=阪神駐米スカウト)、クレイグ・ブラゼル氏(39)といった歴代の助っ人OBも日本へのメッセージを届けている。

◆ジョージ・アリアス 1972年3月12日生まれ、米国アリゾナ州出身。エンゼルス-パドレスを経て00年オリックス入団。02年阪神に移り、同年から2年連続でチーム最多の本塁打、打点を記録。優勝した03年には一塁手としてベストナイン、ゴールデングラブ賞を獲得した。04年限りで退団。06年巨人で日本復帰も同年引退。日本通算639試合、612安打、161本塁打、436打点、打率2割5分9厘。現役時代は180センチ、86キロ。右投げ右打ち。

◆NEVER NEVER NEVER SURRENDER(ネバー・ネバー・ネバー・サレンダー) 01年オフに就任した、星野仙一監督が決定したスローガン。直訳すると「絶対に、絶対に、絶対に諦めるな」。決してあきらめない、へこたれない、負けないという、名門再生への強い意欲を込めた。星野監督は「NEVERが3個あることで『絶対』諦めないという強い意味が出る。念押しだ」と強調。チームはこのスローガンを、02~05年の4年間採用。この間03、05年と2度のリーグ優勝を果たした。