能見が投げて福留、マルテ、糸原が打った! 阪神能見篤史投手(40)が17日、甲子園での自主練習でマウンドに立ち、福留、マルテ、糸原ら打者6人と計12打席対戦。チームが活動を再開した4月15日以降、一番乗りで実戦形式の投球を解禁して元気な姿をアピールした。現状、シーズン開幕は最短で6月19日。新型コロナウイルスの感染拡大防止を最優先させながら、慎重に準備を進めていく。

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雨上がりの甲子園に、久々に18・44メートルの攻防が戻った。マウンドに上がったのは能見だ。

福留、マルテ、糸原ら打者6人と各2打席対戦。広報を通じて「打者の方々の協力がないとできないこと。協力してくれた打者の方々に感謝です。打者が立つと集中の仕方が変わってきますし、いい緊張感を持って投げられる。やっぱり打者に向かって投げるのはいいなと思いました」と充実感をにじませた。

本拠地甲子園を置く兵庫県は依然として、緊急事態宣言の対象地となったまま。チームは全体練習を再開できておらず、当然、メニューとしてシート打撃をナインに課すこともできない。

一方で、シーズン開幕は最短6月19日に設定されている。決して多くはない時間を有効に使うべく、ベテラン左腕は3月22日の練習試合ヤクルト戦以来となる対打者への投球を解禁。「まだ感覚を戻している段階ですが、ここから実戦形式も増えてきますし、開幕に向けてしっかり調子を上げていきたい」と力を込めた。

阪神は3選手の新型コロナウイルス感染を受け、3月27日から4月14日まで活動を停止していた。今回の能見は4月15日にチーム全体で自主練習を再開以降、一番乗りでシート打撃登板を解禁した形。40歳の熱意を受け止めた野手陣も、久方ぶりの実戦形式に感謝、感謝だ。

来日2年目のマルテはオンライン取材に応じ「ボール球をなるべく振らないように心掛けているけど、今日はそれができた。これから多くこういう機会をつくって、シーズンに万全の状態で、と思っています」と満面の笑み。来るべき時に備え、虎戦士たちが粛々と練習強度を上げ始めている。【佐井陽介】

<阪神コロナ禍関連の経過>

◆3月25日 開幕のさらなる延期が決まり、DeNAとの練習試合(横浜)を最後に対外試合は休止に。

◆同26、27日 藤浪、伊藤隼、長坂にPCR検査で新型コロナの陽性反応が出たことが判明。球団は1、2軍とも活動停止に。

◆4月5~8日 入院していた3選手が退院。

◆同15日 甲子園、鳴尾浜を選手に開放し、自主練習の形で活動を再開。福留がオンライン取材で、3選手の感染を謝罪し「我慢した先に、すごく楽しいことがあるようやっていけたら」とファンに語りかけた。

◆同16日以降 練習後に主な選手がオンライン取材に応じ、練習内容や今後の抱負、さらには自宅でどう過ごしていたかなど報告。

◆5月16日 矢野監督がオンライン取材に対応。「20年も矢野ガッツやりまくりま~す」と笑顔を見せた。