楽天鈴木大地内野手(30)が5日、ロッテ6回戦(楽天生命パーク)で今季3度目の猛打賞をマークした。

入れ替わりとなる形で移籍したロッテ先発の美馬から3安打。古巣との6連戦では移籍後1号を含む26打数11安打、打率4割2分3厘の好成績。6月26日の日本ハム戦からこの日まで、9試合連続安打と勢いに乗っている。

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一心不乱に走った。3点リードの6回2死一、二塁。鈴木大はロッテ美馬の内角スライダーを引っ張った。打球は一、二塁間へ。飛びついた二塁手中村奨の送球がそれる。全力疾走の鈴木大は一塁手井上との交錯を避けるように、一塁ベースを踏んだ後、前方へ倒れた。内野安打に悪送球が絡み、貴重な追加点。交代を告げられる美馬を前に、両太ももを土まみれにしながら呼吸を整えた。

古巣との対決でも好調を維持した。初回に中前打、3回に右前打。ロッテ6連戦は26打数11安打、打率4割2分3厘と打ちまくった。オリックスとの開幕3連戦は11打数1安打も前週の日本ハム6連戦で23打数9安打、打率3割9分1厘。上向く調子を、さらに右肩上がりに伸ばした。

要因を自己分析する。「本当に付きっきりで金森打撃コーチ、鉄平打撃コーチ、渡辺直人さん(選手兼任打撃コーチ)が付いてくれて、一緒に練習できているので、そのおかげで結果がいい方向に出ていると思います」。周囲の助言を仰ぎ、早出練習でのロングティーなど努力を惜しまない。

首位を走るチームを支える強力打線の貴重なピースとなっている。開幕から5試合は2、3、5番を打ったが、6月25日日本ハム戦から10試合続けて2番に入る。三木監督は「ヒットも打てる、選球もできる。(1番)茂木と(3番)ブラッシュの間でつながりができている。チャンスでドンとホームラン打ってくれたり、いろんな形ができることで非常に機能している」と信頼を寄せる。

鈴木大は自身と入れ替わりとなる形になった美馬と仙台では初対戦。「特別な意識はしないでいつも通りやろうと思って、そのことはあまり考えずに打席に入りました」と役割に徹した。「自分のやれることはやれたかなと思う。(猛打賞は)うれしいですけど、今日はいいところでアサ(浅村)が打ってくれて良かったです」。最後までフォア・ザ・チームを貫いた。【桑原幹久】