1軍先発準備OK! 阪神藤浪晋太郎投手(26)が昇格テストと位置付けられたウエスタン・リーグのオリックス戦(オセアンBS)に先発し、7回4安打無失点の快投を見せた。

課題の四球も3つに抑え、最速157キロの真っすぐを主体に7奪三振。「これぐらい普通に投げられないと、1軍どうこうという話にもならないと思うので最低限かなと思います」。完全復活を印象づけた97球の安定投球を淡々と振り返った。

ピンチと感じさせなかった。6回1死、中川にストレートの四球を与えると、続くモヤにも連続四球。1死一、二塁の場面でも落ち着いていた。杉本を中飛に打ち取ると、勝俣をフォークで3球三振に斬った。「、ある程度意図を持った投球はできたかなとは思っています」。走者を背負っても、スキを見せなかった。

右胸の軽度の筋挫傷から復帰後4試合(うち1試合はプロアマ交流戦)に登板し、16イニング連続無失点。平田2軍監督は「四球を出しても、次また修正しよるなという、そういう四球だったね。今日のピッチングぐらいすれば1軍でも十分通用する」と絶賛した。

この日、1軍で先発した中田は5回途中7安打3失点。試合後、中田の次回登板について聞かれた矢野燿大監督(51)は「まだ分からんけど今日、(藤浪)晋太郎も良かったんでしょ。そういうところも考えながらになる」と返答。自ら藤浪の名前を出し、昇格の可能性が高まった。GOサインが出れば、23日広島戦(甲子園)の先発が濃厚だ。

昨季は1軍登板1試合。今季はコロナ感染、遅刻での2軍降格など厳しいスタートになったが、着実に復活の道を歩み、いつ1軍から呼ばれてもいい状態に仕上がってきた。「これからもしっかり、結果を残していけるようにしたいと思います」。逆襲を期し、表情を引き締めた。【磯綾乃】

<今季の阪神藤浪>

▼コロナから復帰 3月26日深夜に新型コロナウイルス感染が判明し、翌27日から入院。4月7日に退院した後は自宅待機を続け、同24日から鳴尾浜で自主練習を開始。

▼練習再開後に好投 「分離練習」が再開した5月19日から甲子園練習に合流し、同23日から1、2軍に分けられた「集合練習」でも1軍練習に参加。同24日のシート打撃で67日ぶりの実戦形式のマウンドに上がり、4者連続三振を奪うなど打者5人に完全投球。

▼2軍降格 5月28日の1軍練習に遅刻。ペナルティーとして同29日から無期限の2軍降格となった。

▼緊急降板 6月3日のソフトバンクとの2軍練習試合(鳴尾浜)で降格後初登板するも、右胸の張りを訴えて、3回途中4安打3四球3失点で緊急降板。後日「軽度の右胸筋挫傷」と診断された。

▼藤浪の1軍公式戦での連続イニング無失点記録最長は、15年5月14日ヤクルト戦~6月3日ロッテ戦に記録した32イニング。球団でも歴代10位に該当する。近年は不調が続き、昨季の1軍登板はわずか1試合。ウエスタン・リーグでは開幕から3戦連続で無失点と滑り出したが、6月18日広島戦以降の全11試合で失点していた。今回の16イニング無失点は久々といえる。