強気のまっすぐが、簡単に打ち返された。日本ハム河野竜生投手(22)が、ソフトバンク12回戦(ペイペイドーム)で4回8安打5失点(自責4)。「真っすぐ自体は悪くなかったんですけど…。(投球フォームの)バランスがちょっと合わなかった。制球が安定しなかったので、苦しかった」。プロ初勝利を挙げた前回19日ロッテ戦で光った直球の制球が甘くなり、3敗目を喫した。

初回2死三塁、4番中村晃に内、外と直球を投げ分け追い込みながら、真ん中に入った3球目、145キロ直球を左前へ運ばれ先制点を失った。3球勝負が裏目に出た形。栗山監督は「もったいなかったけど、新人のピッチャーにそこまで言うのは…」と擁護したが、2回も4長短打を集められ3失点。指揮官は「自分のリズムに持って行く前に(やられた)って言う感じ」と振り返る。許した8安打のうち5本が苦手としている右打者相手。1番に3出塁の今宮を配した敵将に、してやられた。

ロッテ戦でのプロ初勝利から中6日。スタミナを備え、先発ローテで奮闘中の左腕は「僕自身、きっちり、きっちりと投げるタイプではない。大胆にいった中でコントロールしていく。前回はそれがうまくできたけど、今日は甘くなってしまった」。4回を投げ終えてベンチに下がると、大きく息を吐き、悔しそうに口を真一文字に結んだ。

前日、6点差をはね返した逆転劇の勢いは消え、チームは開幕3連戦以来のカード勝ち越しを逃した。栗山監督は「昨日の流れを生かしていけなかったのが、ちょっと悔しかった」。28日から本拠地で始まるオリックスとの6連戦で、まずは最下位脱出を狙う。【中島宙恵】