楽天のドラフト1位小深田大翔内野手（24）がソフトバンクとの首位攻防戦でチームを勝利に導いた。1点を追う7回1死一、三塁。東浜から右中間へ逆転適時三塁打を放った。初回に遊撃への内野安打も打っており、これで1番打者として8戦連続安打。切り込み隊長の活躍で、楽天は再びソフトバンクと首位で並んだ。

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気持ちで食らい付いた。2－3の7回1死一、三塁。小深田は5球目のストライクを見逃してフルカウントになると「三振したら何も起こらない。何とかバットに当てよう」と心の中でつぶやいた。6球目の外角シンカーをファウルにすると、7球目は再び142キロシンカー。真ん中に甘く入ってきたボールを右中間へはじき返した。

「しっかり芯に当たった。いいところに飛んでくれたんで、打ってからは全力で走りました」。先発の則本昂が初回に上林、柳田に被弾。中盤までソフトバンクを追いかける苦しい展開だったが、小深田らしい低いライナーで試合をひっくり返した。

茂木がコンディション不良で4戦連続欠場中。主将に代わる遊撃の守備でも5度の守備機会を軽快に処理した。それでも三木監督は「守備も安定感があって走力もあるから、そちらの人のイメージがつきますけど、打撃がいい選手だなという印象が強い。小柄だと逆方向にゴロを打ちなさいという指導が多くなるんですけど、自分の打球、強い打球をしっかり打てる」と打力を評価する。

強く振ることを心がけだしたのは、社会人大阪ガス入りする直前。練習参加した際に「大学の時はどちらかというと当てる打撃が多くて。それでは上で通用しないと言われた」からだという。経験を踏まえ、プロ入り後は「打てないと試合に使ってもらえないぞ」と母校の神戸国際大付と近大にそれぞれ100万円超の打撃マシンも寄贈した。

茂木が7日の試合前練習に参加し、復帰も近い。今後は再び定位置争いも激しくなる。「毎日スタメンで出してもらっているので、結果を残すのに必死。思い切ってやることしか考えてないです」と“邪念”はない。切り込み隊長として、チームをぐいぐい引っ張る意気込みだ。【千葉修宏】