日本ハムのドリュー・バーヘイゲン投手(29)が、7回を5安打1失点でチーム最多に並ぶ4勝目を挙げた。最速157キロの直球に加えて、大きく割れるカーブが効果的で、リーグ2連覇中の山賊たちを翻弄(ほんろう)した。

その球速差は、実に約20キロ。1回2死走者なしから外崎に1発を浴びたが、以降は三塁を踏ませず。「楽しく投球ができた。制球が安定したのが今日の勝因」。今季初の無四球。自在な緩急で、力自慢の相手打線から10三振を奪った。

メジャー時代の制球難を、日本で見事に克服した。「日本のストライクゾーンは、メジャーより、ちょっと広いのかなという風に思っている」。制球難から大崩れする姿はなく、現在3連勝中だ。米国に置いてきた彼女やおいっ子と頻繁に連絡を取って、孤独を埋めてきた。「もし日本にいれば、毎登板、球場に足を運んでくれたと思う」。想定外のウイルスにも負けず、今や新天地で欠かせない戦力だ。

栗山監督が「1番大きく変化している、どんどんプラスになっている投手」と成長を認める助っ人右腕が、V戦線の旗手となる。【中島宙恵】