西川離脱に一丸となった。広島の新中軸が3人で5安打4打点4得点と全得点をたたき出し、この日53歳を迎えた佐々岡監督のバースデーを勝利で祝った。11日ぶり最下位脱出のプレゼントもつけた。

両軍無得点の4回。3番堂林翔太内野手が144キロを中前にクリーンヒットを放つと、4番鈴木誠也外野手は左翼線を破る二塁打で続いた。二、三塁の好機に5番松山竜平外野手は際どい球を見極め、カウント3-1とした5球目の変化球を捉えた。中前への2点打で、3回まで1安打投球の浜口から2点を奪った。試合前にリーグ4位の打率を残す西川が出場選手登録抹消。危機的状況の空気を新クリーンアップが振り払った。

同点に追いつかれた6回も、堂林が四球と二盗でチャンスメーク。再び松山が浮いたチェンジアップを右前へ運んで勝ち越した。9回には4番鈴木誠が左翼席へ貴重な追加点となる1発を放り込み、DeNAの反撃意欲をそいだ。5試合ぶりの先発で決勝打を含む2安打3打点の松山は「龍馬が抜けたのはすごく痛いけど、何とかカバーし合って1点でも多く取れるようにやっていくしかない」とナインの思いを代弁した。

この日53歳の誕生日を迎え、ウイニングボールをもらった佐々岡監督はナインに感謝した。「素直にうれしかった。自分の誕生日というよりも、何よりチームが勝てたことが一番うれしい」。主力離脱の危機を指揮官が掲げる「一体感」野球で乗り越え、真夏の反攻に出る。【前原淳】

▽広島鈴木誠(9回に追加点の14号ソロ)「祐輔さん(野村)が粘り強く頑張っていたので」