オリックス吉田正尚外野手(27)が、ダブルの快挙でチームを救った。初回に内野安打を放ち、24試合連続安打で、オリックス時代の94年イチローの最長を超えた。2リーグ制後、球団では塩谷和彦に並ぶ歴代4位。3点を追う3回には反撃の10号2ランで、新人から5年連続2桁本塁打とし、自身の持つ球団記録を更新。8回にはダメ押しの11号3ランで、チームの連敗を3で止めた。

長打力も、吉田正の代名詞だ。10号2ランは、中堅バックスクリーン右への大きな放物線。11号3ランは、右翼手が早々と足を止めた弾丸ライナーだった。「しっかりと強い打球でいけたのでよかった。(5年連続2桁は)1年目はケガがあったけど、最後の2試合で塩見さんから(16年9月29日に)打ったのは覚えています」と4年前の本拠地での10号を振り返った。

吉田正の打力をどう勝ちに結びつけるか、中嶋監督代行は懸命に考えていた。この日の先発2番には、3年ぶりにT-岡田が入った。吉田正の反撃弾もダメ押し弾も、T-岡田の安打のあとに生まれた。「ありがたい、本当に。ああやってつながっていったら点になる」と監督代行の声も弾む。こういうつながりこそ、チームの理想の形になる。

5チーム目となる球団8500本塁打に王手。吉田正は長池徳二のリーグ記録でもある32試合連続安打が視野に入る。打率は3割7分9厘でリーグトップを独走。「ベストを尽くして行けるところまで。タイトル争いをしたいと言ってきているので、1番を目指してやっていきたい」。昨季は西武森とのマッチアップで競り負けた首位打者争い。今年はトップの座を譲らない。【堀まどか】