日本ハム中田翔内野手(31)がロッテ15回戦(ZOZOマリン)で史上64人目となる通算250本塁打を達成した。1点を先制した直後の1回1死二塁、右中間のホームランラグーン席へ本塁打キング争い独走となる24号2ランを打ち込んだ。打点も12球団断トツの79に伸ばした「レベチな大将」の活躍で、チームは連敗を3でストップ。西武が敗れたため、1日で4位に再浮上した。

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中田の願いは、幕張の風が成就させてくれた。「行ってくれ…」。初回1死二塁。143キロの外角直球を素直にバットに乗せた。高く舞い上がった打球は、左翼からグラウンド方向へ吹くZOZOマリン特有の強風にも乗った。「昨日は風にやられ、今日は風に助けられました」と右中間のホームランラグーン席へ飛び込む24号2ラン。前夜、引っ張った打球は押し戻されたが、自然体で流した打球は通算250本塁打のメモリアルアーチとなった。

史上64人目の偉業も、中田は自然体で受け流した。

中田 いやいや、これからどんどん(達成者が)出てくると思うし。250本でね、満足できる本数では、当たり前ですけど、ないですし。もっともっと上を目指して。通過点だと思っているので。

12年の監督就任以来、4番として起用し続けた栗山監督に、中田は223本目のアーチを届けた。「打てない自分も監督が使ってくれた。そこからの250本。感謝したい」と指揮官への思いも明かした。

栗山監督はうれしさを心に秘めて、あえて厳しいノルマを課した。

栗山監督 250号も本当に大変だと思うけど、もっともっとペース加速して、ホームランを増やせるバッターなので。1000本くらい、見たい。

大きな数字に乗せた思いは、中田の力を信じ続けてきたからこそ。今季から“レベチ”に覚醒した中田なら、夢物語もかなえるかもしれない。

中田の1発で3連敗中の嫌な流れを振り払い、チームは連敗ストップで4位に再浮上した。中田は「何度も言うように、打点の方がうれしいので」と、チームを勝利に導いた2打点も素直に喜んだ。今季79打点で24本塁打とともに打撃2冠を独走。残りは49試合で、まだまだリーグ優勝の目も残る。「今日の試合をきっかけに、これからどんどんどんどん巻き返していけたら」。中田のバットで、混パに割って入る。【木下大輔】

◆日本ハム中田の投手別本塁打数 250本塁打のうち、もっとも多くの柵越えを放っているのは、今季からロッテに移籍した美馬で7本。すべて楽天時代の昨年までに記録したものだ。続いて楽天塩見が6本。阪神西勇(対戦当時はオリックス)と西武十亀からは5本塁打している。また現在はチームメートの金子からは3本塁打、秋吉からも1発を放っている。