アジャが目覚めた。ロッテ井上晴哉内野手(31)が1回、2回と2打席連続で左中間に2点適時二塁打を飛ばし、首位攻防戦の勝ち越しに大きく貢献。「焼き肉をおごってもらっているので、恩返しができたと思います」と、今季3度の焼き肉で景気づけてくれている中大先輩の美馬学投手に、8勝目をプレゼントした。

不調に自打球、何かと苦しいシーズンだ。1試合2長打は7月28日の楽天戦以来、約2カ月ぶり。凡退しながらも「下を向かないように」と明るく振る舞ってきた。今は下を向くとあごがチクチクする。2日前に3安打をマークし、ヒゲは伸ばしたまま。思わずげんかつぎするほど、大事な時期の復調はうれしい。

活躍し、すがすがしく上を向く。2本目の適時打で相手投手をKOし、二塁上で眺めた。「うわぁ、いっぱい入ってるな」。今季最多1万1902人の観衆。懐かしい景色にほほ笑んだ。アジャと親しまれ7年目。期するものは大きい。「体がちぎれてもいいから優勝したいです」と誓う。

首位ソフトバンクと再び1ゲーム差に迫った。「場所が変わるから」とひげをそり、札幌での日本ハム戦へ旅立つ。猛打賞、2長打の次は、1カ月以上ごぶさたの“ごっちゃし”ポーズを。豪快な本塁打で、チームはさらに上向きになる。【金子真仁】