中日が序盤の大量9点でDeNAに連勝し、8月25日以来の3位に浮上した。今季3敗を喫していた浜口を2回途中KO。初回の2点適時打に加え、2回には2番手砂田から3号3ランで3安打5打点と、木下拓哉捕手(28)がバットでチームを8年ぶりAクラスへ導き始めた。

終盤、DeNAに猛追され、9回はR・マルティネスまで投入も2点差まで迫られた。ヒーローインタビューでホームランの感触を問われ、木下拓は「序盤のことは何も覚えてないです。(本塁打の感触は)スイマセン、忘れました」と苦笑い。「1点差でも勝てばいいと開き直っていきました」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

シャワー室に落ちていたばんそうこうや傘の袋を拾うことで幸運を呼び込んだと明かしてきたが、今回は西武源田の顔を見たことで「ハッピーになった」と笑わせた。大阪から横浜移動の新幹線で、トヨタ自動車の後輩と座席が偶然、前後になったという。幸運シリーズも新段階に突入した。

長期低迷の要因の1つとされてきた「正捕手不在」が、木下拓の成長で解消に向かい始めた。ここ7試合連続で先発。チームトップの47試合目スタメンマスクで、打率も2割7分台まで上昇。5年目の女房役がAクラスに押し上げた。

39日ぶりの3位浮上に「勝ててホッとしています」と与田監督。残り29試合。幸運を背にした木下拓の固定が続けば、7年続いたBクラスからの脱出確率はグンと高まる。【安藤宏樹】