阪神近本光司外野手(25)が1年目から2年連続で100安打に到達した。5回に左前打、9回は9号3ランを放ち、今世紀入団した阪神の選手では初めて新人から2年連続で大台に乗った。第1打席では規定打席に届き、こちらも2年連続となった。試合に敗れたものの、昨季リーグ新人最多安打記録を樹立したリードオフマンは今季もフル回転している。

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粘り勝った。9回2死二、三塁。近本は追い込まれてから4球、宮国の内角変化球をカットした。スコアボードに映るボール、ストライク、アウトカウントはすべて点灯。そして10球目、甘く入った直球を振り抜き、高々と右翼席へかっ飛ばした。今季の100安打目は意地の詰まったアーチ。スコアが1-7の「あとひとり」から9号3ランで3点差とし、最後まで宿敵に追いすがる姿勢を示した。

昨季159安打でセ・リーグ新人安打記録を樹立したヒットマンは5回の左前打で王手をかけ、2年連続で大台に到達した。「特に数字を意識していることはないですが、チームのためになる1本を積み重ねていきたいと思っている。もっともっと打てるように頑張ります」。阪神のルーキーでは98、99年の坪井智哉以来で、1リーグ制も含めて6人目の快挙となった。

開幕から約1カ月は打率1割台。スタメン落ちも経験した。矢野監督はもがいてきた姿を知っているからこそ「開幕から苦しんだ中でここまで持ってきたというのも、それは自信だったり実力になってくると思う」と評価。続けて「もっともっと上を目指してほしいなと思います」と注文も忘れなかった。プロ2年目で主力として認めているからこその期待だった。

前日2日の巨人戦で左肘付近に死球を受けたが、「問題ありません」とキッパリと答えた通り「1番中堅」でフル出場した。1回の第1打席で今季の規定打席数の372に到達。新人から2年連続クリアは2リーグ分立後、阪神では6人目。シーズンを通して戦っている証しでもある。虎のリードオフマンに「2年目のジンクス」は存在しない。【只松憲】

▼阪神近本がこの日の巨人戦で5打席に立ち、今季376打席とし、規定打席(372打席)をクリアした。近本は新人だった昨季から2年連続で規定打席をクリア。2リーグ分立後、阪神の新人から2年連続規定クリアは98、99年の坪井以来、6人目となる。

▼近本は最終打席で本塁打を放ち、今季通算100安打に到達。昨季は159安打を放っており、阪神の新人で2年連続100安打以上を記録したのは、1リーグ時代を含め、前記坪井以来、6人目だ。