立命大が9回に山口乃義(だいき)内野手(3年=天理)のサヨナラ本塁打で近大に競り勝ち、優勝戦線に踏みとどまった。4-4同点の9回、先頭で打席に立った山口は3球目のスライダーを左翼席へたたき込んだ。「本当はあんな打球はダメなんですけどね」とヒーローは笑った。

天理で1年春まで指導を受けた橋本武徳(たけのり)前監督が9日に75歳で死去。この日も「高校時代に橋本監督から『初球から打たないと代えるぞ』と言われたことを思い出していました」と恩師の言葉を思い出し積極的にバットを振った。「通夜、葬式には出席するつもり。このボールは橋本監督へ届けます」とホームランボールをささげるつもりだ。

この日の山口乃は4回に代打で途中出場。5回にも左前適時打を放つなど4打数2安打2打点と活躍。この秋は9月20日の京大戦での代打でのサヨナラ2ランに続く2度目のサヨナラアーチと勝負強さが光る。「まだレギュラーじゃないので、ここで終わりたくない」。残り2戦も勝ち、最後まで優勝を諦めずに戦う。