「大一番」に「天王山」。海外で言えば米大統領選の「スーパーチューズデー」、ゴルフの「ムービングサタデー」。勝負の世界行く末を左右する1つの「山」が必ずある。

3位楽天からすれば「楽天スーパーウイーク」とも言えるだろうか。5ゲーム差で追う2位ロッテ、同7差の首位ソフトバンクとのビジター6連戦が13日から始まった。残り23試合。自力CS消滅もちらつく中、逆転優勝、CS進出には勝ち越しで御の字ではなく、6連勝がほしい。三木監督は「120試合の1試合であることは変わりない」と前置きしつつ「シーズンを振り返った時にあのプレー、あの試合ということになる。この1週間の6試合はいろんな意味で重要、大切な試合になってくる」と目の前の1勝の価値を1段階上に捉える。

「ビジターとして相手チームのところに乗り込んでいく。ちょっと前のめりになって、超積極的に戦っていかないとダメなのかなという気持ちはある」。敵地に集う1万人近くのホームファンが生み出す“どアウェー”の空間にのまれないためには、先手必勝が定石。救援陣には未解禁の4日連続登板、あまり用いない勝ちパターンの回またぎも惜しみなく行う方針。ポストシーズンさながら“短期決戦”仕様の戦い方を想定する。

改めて“超積極的”とは。指揮官は言う。「打者で言えば手を出す、走者でいえば早いカウントで走るということになりがちだけど、それだけが“積極的”ではない。野球には我慢も大事。駆け引き、押し引きが必ずある。ただ、ミスを恐れずにやる。最善を尽くしてやりきれるように、強い気持ちで戦っていきたい」。先発にエース則本昂を立て臨む「楽天スーパーウイーク」初戦。何が何でも、とりにいく覚悟だ。【桑原幹久】