日本ハム中田翔内野手(31)が2打点を挙げ、リーグトップの楽天浅村に並んだ。14日、西武20回戦(札幌ドーム)の4回2死二塁、右中間へ適時二塁打を放つと、満塁の6回にも押し出し四球で96打点に伸ばした。相手投手の暴投で、二塁から一気にヘッドスライディングで生還する激走も見せ、味方を鼓舞。残り20試合。タイトル獲得へ、執念のプレーを続ける。

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自信をまとっていた。2点リードの4回2死二塁。中田が5球粘り、右中間を破る適時二塁打を放った。「コースに逆らわず、自分のスイングをする感じ」。逆方向への一打は、スランプ中には味わうことがなかった、頭と体が一致した感覚だった。6回にも押し出し四球を選び、2打点。リーグトップの楽天浅村をとらえた。

試合前の円陣では、チームメートに訴えかけた。

中田 今、苦しい試合が続いていて投手を勝たせることが出来ていないですけど、一生懸命やっているのでね、みんな。変にストレスを感じず、プレッシャーを感じず目先の試合に集中して1試合1試合、戦っていきましょう!

威勢のいい声で締めると、キャプテン西川らが声を上げて続いた。主砲ながら、勝たせられない悔しさ。状態が上がらないことへの憤りも全て飲み込み、自らに言い聞かせるように呼び掛けた。

適時打の4回には、相手の暴投で一塁ベンチ方向へボールが転がる間に、巨体を揺らし二塁から本塁目がけて激走した。クロスプレーとなったが、執念のヘッドスライディング。「足から行っていたら確実にアウト」と、右手1本でタッチをかいくぐった。西武のリクエストでリプレー検証が行われたが、判定は覆らず、追加点をもぎ取った。

栗山監督は「(適時打の)3点目、すごく大きかった」とたたえ、奮起への予感を感じ取っていた。「翔の守備の仕方とか、そういうもので自分のリズムをつくっていける。そういうのを見ていると(調子が)上がってくるはずだと思って見ていた」。連敗を止め、西武には4年ぶりに勝ち越しを決めた。3度目の打点王も、しっかり視野に入った。最後まで戦い続ける姿を、たくましい背中で示していく。【田中彩友美】